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K2登頂からシリア内戦の撮影へ 女性写真家の小松由佳さん [山の本、TVなどメディア関係]

 日本テレビ系列の「NNNドキュメント」の9月24日放送分は小松由佳さんという女性フォトグラファーに密着していました(「サーメル 子連れ写真家とシリア難民」)。

 小松さんはシリア人の夫の間にもうけた「サーメル」という乳飲み子の男の子を抱っこしながら、シリア難民を取材するため、ヨルダンを訪れます。「サーメル」とは暗闇の中の光という意味があるそうです。

 なかなか心を開かないシリア難民たち。小松さんは無理にシャッターを押そうとはしません。何度も足を運んで、相手が心を開くのを待ってようやくカメラにおさめるのです。サーメル君の存在が大きいようです。サーメル君が取材相手との距離感を縮めてくれるのです。

 さて小松由佳さんですが、なんと世界第2の高峰「K2」のサミッターだったということでした。そういえばということで過去の記録を調べてみますとROCK & SNOW 033号(2006)のクロニクルに当時の記録がありました。

 小松さんはOGとして2006年の東海大学K2登山隊に参加。隊は南南東リブから南東稜に合流し、7,900mにC3建設。8/1午前2時半に小松さん(23)と青木達也さん(21)がアタックし16時50分に登頂します。帰途酸素が切れたため8,200mでビバーク(!)したものの3日にはBCに戻ることができたそうです。当時の記録としてK2の女性登頂は8人目。日本女性としては初めて。南南東リブから女性が登頂したのも初。青木さんは最年少登頂記録を更新しました。

 すごいですね、K2に登るなんて。しかも8,200mでビバークするなんて。
 しかし小松さんは登山家としてではなく写真家としての道を選びました。番組の中で小松さんは「登ることよりそこに住む人々に魅せられていった」とのことでした。

 頭に大きな傷を負いながらも、故郷のことを思うシリア男性が番組でとりあげられていました。傷にクローズアップせず帽子をかぶった男性のフルショットを撮影する小松さん。

 どうか無事に取材活動を続けられますように。小松さんの挑戦が続けられますように。小松さんとサーメル君母子が元気でいてくれますように。

 そしてシリアの人々にいつか平和が訪れますように…




K2 苦難の道程(みちのり)―東海大学 K2登山隊登頂成功までの軌跡

K2 苦難の道程(みちのり)―東海大学 K2登山隊登頂成功までの軌跡

  • 作者: 出利葉 義次
  • 出版社/メーカー: 東海大学出版会
  • 発売日: 2008/07/01
  • メディア: 単行本



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「冬のデナリ」を読んだ。時速300キロの強風の世界からの生還… [山の本、TVなどメディア関係]


冬のデナリ (福音館文庫 ノンフィクション)

冬のデナリ (福音館文庫 ノンフィクション)

  • 作者: 西前 四郎
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2004/02/20
  • メディア: 単行本



 「冬のデナリ」を読みました。デナリはアラスカにそびえる6,194mの山。マッキンリーと呼ぶ方が通りが良いでしょうね。恥ずかしながら冬季初登が1967年で、そのパーティーが日本人を含む国際隊だったことを初めて知りました。

 作者の西前さんはその国際隊のメンバーでした。タクティクスを考える参謀役として描かれています。仲間がクレバスに落ちて死亡する事故にあいながら登山を続行。ようやく最終キャンプに到達し、天気の周期がよくなるのを待ちます。登頂とその後の天候の悪化。国際隊だけに感情のもつれも出てきます。生き延びるための最善の道とは…心理的な圧迫がこちらまで伝わってきます。

 この登山で印象的なのは「イグルー」「雪洞」の積極的な使用です。逆にイグルーと雪洞がなければ、寒さと強風を防げないのです。植村直己さんも雪洞を使用していました。

 植村さんと親交のあった元テレビ朝日の大谷映芳氏らが、デナリの5,715m地点に設置した気象観測機は「最低気温マイナス70度、最大風速毎秒82.5m」を記録したそうです。この風速は時速300キロに相当するそうです。(文藝別冊「植村直己 夢・冒険・ロマン 河出書房新社)  

 作者の西前さんは、社会人山岳会の関西登高会メンバーで、大阪の公立高校の先生だったそうです。少年文庫に収められているためか、わかりやすい文章が意識されていますが、作者が登山家だけに山岳の監修は安心して読めます。また全体を通してリアルで特に後半のサバイバル部分は、逆に登山を知らない人(少年、少女)にどこまでわかるだろうか、と心配になりました。

 登山から30年を経て、かつてのメンバーを訪ね歩き「あの登山とは…」と思考を重ねる作者。このパートはかつて登山に熱い想いを持った人なら、誰もが同感するのではないでしょうか。

 西前さんはようやく書き上げた本の出版を前にして亡くなられたとのこと。登山にかけた青春とその後の人生。西前さんという人はどんな方だったのでしょうか。生きていれば話を聞いてみたかったです。

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桑原武夫さん「登山の文化史」器の大きさを感じました [山の本、TVなどメディア関係]

 久しぶりに桑原武夫さんの名前がテレビのニュースに出ていました。が、信じられない話でした。桑原さんの蔵書1万冊を寄贈を受けた京都市が無断で廃棄していたというのです。

京都市が文学者の桑原武夫さんから寄贈された蔵書1万冊を全て無断で廃棄していたことが分かりました。フランス文学の研究などで業績を残し文化勲章も受章した元・京都大学名誉教授の桑原武夫さんは、亡くなった際にその蔵書約1万冊を親族が京都市に寄贈しました。

【記者リポート】「寄贈された蔵書はいくつかの施設を転々とした後、最終的に伏見区にあるこの図書館の倉庫に保管されていました」中には、今は手に入らない洋書なども含まれていましたが、おととし、図書館の改修工事の際に、本は不要だと職員が判断し親族に無断で全て廃棄されたことが分かりました。ことしになって本に関する市民からの問い合わせがあり事態が発覚しました。親族は「そういうことが起こるのか、と信じられない気持ちです」と話しています。(関西テレビ)


 寄贈の図書を保管、管理するのも難しいだろうなとは思いますが、寄贈を受けた以上は職員の判断ではなく、もっと違うレベルで判断して欲しかったなあと思います。「もしかしたら桑原さんが本に線を入れたり、書き込みをしていたら」と考えると、勿体無いなあと思います。

 世間的にも大きな話題となったこのニュースですが、私にとっての桑原さんといえば登山者としての桑原さんです。京都三高(京都大学)の山岳部として、また京都大学山岳会のヒマラヤ・チョゴリザの登山隊の隊長として、そして「登山の文化史」著者として。

 「登山の文化史」は、登山は文化的なものであるとの表題作や、昭和初期の登山の様子が落ち着いた深い文体で描かれています。西堀栄三郎、四手井綱彦さんの名前も。人夫として宇治長次郎の名前も見られます。

 「登山の文化史」は、大学時代のゼミの恩師が「読んで欲しい」と紹介してくれた本です。どうして恩師がこの本を勧めてくれたのか?私がクラブの運営に嫌気がさしていた頃だったのかもしれません…本を読んで、何がどう変わったわけでもないのですが、気分が広くなったことを思い出します。桑原さんの器の大きさは伝わってきたと思います。助けられました。

 もう一度読んでみようと思っています。


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2万5千分の一地図の販売が激減…スマホとGPSのせいですね [山の本、TVなどメディア関係]

 先日、日本経済新聞を読んでいますと、共同通信が配信した次の記事がありました。国土地理院発行の紙地図の販売が、2016年度は47万2951枚だったこと。これは最高だった81年度の約910万枚の約20分の一に当たるそうです。

(販売に当たる日本地図)センターの田代博常務理事は「データのデジタル化が進み、パソコンやスマホで簡単に地図を検索できるようになったことや、学校で本物の地形図を使う先生が少なくなったことも大きい」と分析する。

16年度の実績をみると、紙地図販売の8割を占める2万5千分の1で最も販売枚数が多かったのは北アルプス「穂高岳」の1921枚で、前年度よりほぼ半減。「武蔵御岳」1733枚、「京都東北部」1667枚など人気観光地が続く。例年「穂高岳」に次いで2位だった「槍ケ岳」は29位と順位を落とした。 5万分の1のトップは大阪府「岸和田」の1847枚(全体でも2位)。岸和田市が中学1年の社会科の副教材として生徒全員分を毎年購入しているのが貢献している。 田代さんは「一覧性に優れ、災害時などバッテリーを気にせず使える紙地図の役割は依然として大きい。販売落ち込みで入手困難になっては残念だ」と話している。〔共同〕


 先日、スマホアプリの効用をブログに記したばかりなので、こういう記事を見ると「申し訳ない」と思ってしまいます。実際買わなくなりました…

 今でも大きな山に行くときは2万5千分の一の地図を持って行くのですが、それも国土地理院のサイトで地理院地図をプリントアウトしがちです。日帰りなどスマホのバッテリーがもちそうな時は、買わないだろうなと思います。

 PCやスマホで一昔前より、地図に触れる機会は格段に増えたのは間違いないのですけども…これはやはりGPSで自分の位置がわかるようになり、「地図を読む」必要がなくなってきたからではないでしょうか。

 2万5千分の一でわずかな凹凸を地図上で読み取ることができると、山が面白くなり、自信もついたものです。

 学校で地形図は一枚手渡されて、折りたたみ方も含めて教えられた記憶があります。そんな先生もいなくなってきたのでしょうね。そういえば地理の先生は、山岳部の顧問でした(^ ^)。

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YAMAPという山アプリ GPSってすごい… [山の本、TVなどメディア関係]

 これまで私はガラケー+タブレットを使っていました。山に行く時はタブレットは重いので、ガラケーだけを持ち歩いていました。

 しかし息子らのiPhoneの契約が2年となるのに機に、大手キャリアから格安SIMに契約を変更することにします。私のタブレットもそれに伴い廃止し、ガラケーを格安SIMのスマホにしました。格安SIMといっても一度昼休み時につながりにくくなりましたが、それ以外は良好です。というより値段を考えれば十分です。

 さて普段からスマホを持ち歩くようになると、山のアプリを入れてみたくなりました。そこでインストールしたのがYAMAPという山アプリです。私は他のアプリを試したことがないので、この文は比較ではありません。あくまで初心者の感想ということでお願いします。

 YAMAPの感想は「これがあれば記録メモを取る必要がない」ということです。

①まず、家で必要とする地図をダウンロードしておきます。これでオフラインでも使えるようになります。
②電話もメールもできなくなりますが、現地で機内モードにしてバッテリーの消費を抑制します。GPSは生きています。
③歩き始めで「スタート」ボタンを押します。すると現在位置が地図上で点滅します。
④途中スマホで写真を撮ります。GPSにより今どこにいるかもすぐにわかります。
⑤歩き終わりで終了します。

 終了すると、この記録を公開するかどうか、写真をアップロードするかどうかなど聞かれますが、それは人それぞれです。

 これまで使用したのは、京都北山・雲取山比良・釈迦岳の2回ですが、何時何分にどこにいたか、どこで写真をとったか、どれぐらいの距離を歩いたのかなどがわかります。

 ひとえにGPSの恩恵に預かっているといえそうです。実際のところ、GPSでの現在地確認は一度使い出すと手放せなくなりそうです。

 スマホによって消費行動が大きく変わっているのは普段から実感としてありました。GPSに関していうとカーナビが売れなくなったりしているのでしょうが、山のGPSの売れ行きもめちゃくちゃ影響を受けているのでしょうね。これから体力や気力が落ちる私なんぞは、スマホでサポートされるのであればそれはそれで結構なことだという気がします。

 一方で、一般的な話としてこうしたスマホアプリは「この山を登る人はこういう服装や装備を使っている」みたいなことがデータになって、消費行動の分析や広告に使われることもあるのではないかと思います。

 先日警察がGPSを使う時には裁判所の令状を必要とする旨、最高裁が判決を言い渡しました。非常に便利なGPSですが、こういうものって使い方を誤ると、非常に怖いものだなあとも思います。

 個人的にはこの便利さは捨てがたいです。これからも使い続けますが、データを公開し続けるかどうかはもう少し考えたいと思います。


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岩と雪ベストセレクション1958-1995 この企画の実現に拍手したい [山の本、TVなどメディア関係]


『岩と雪』 Best Selection

『岩と雪』 Best Selection

  • 作者: 池田 常道
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: 単行本



 出版が去年発表されて以来、どんなものになるか興味津々でした。

 山と渓谷社が出版していた「岩と雪」は1958年に創刊。1995年の169巻を最後に休刊しました。本格的山岳雑誌を標榜しているだけあって海外の記録が豊富で、日本のクライミングシーンに与えた影響は大きかったと思います。なんといっても創刊の1958年は8,000m峰のうちガッシャーブルムI峰とダウラギリ、シシャパンマが未踏峰で、日本ではRCCIIが立ち上がった年でした。

 内容は池田常道さんが選んだ41編が収録されました。原本を複写したもので、多少読みづらいところもありますが、当時の熱気がそのまま伝わってくるかのようです。

 最初の頃は編集の方針もあって、評論が多いですね。本多勝一さんの「パイオニア・ワークとは何か」は京都大学探検部時代の学生だった頃の評論です。早熟ですよね、当時の学生は。

 上田哲農さんの文章は今の時代でも色褪せないクライマーへの深い洞察を感じさせます。柏瀬祐之さんの「アルピニズムは帰って来た」は何事にもとらわれない登山の創造性を説いていて私もかなり影響を受けました。

 また戸田直樹さんの文が多いです。ジョン・バーカーが表紙となった72号が決定的だったのでしょう。ヨセミテのフリー・クライミングを紹介、実践する記事がいかにその後の日本の登攀を変えたのか象徴するようです。

 リアルタイムで岩と雪を買って覚えているのは山野井泰史さんの「ビッグウォールが待っている」です。コズミック・デブリ(5.13a)のビレイヤーは平山裕示さんというビッグでフレッシュなペアでした。先日亡くなった吉田和正さんのインタビュー(164号)も収録されています。北山真さんの追悼コラムは短いですが、鳥肌が立ちました。

 あとがきのページで書いていましたが、日本の登攀は70〜80年代に大きな変革が起こり、それぞれに分野でおだやかな発展が続いている、というのは当たっているなあと思います。

 とても一度には読みきれません。いずれにしてもこの企画を実現させた山と渓谷社には敬意を払いたいと思います。素晴らしいです。現代のクライマーが過去の登山家たちから学んだり感じるところもあるでしょう。またそうあってほしいと思います。

 ちょっとずつ読んでいきたいと思っています。しかし、どれだけ売れるのだろうか…

【以下、目次より】
編集室(川崎隆章)
ヒマラヤ登山の動向と将来(山崎安治)
パイオニア・ワークとは何か(本多勝一)
スーパーアルピニズム試論(吉田二郎)
日本のアルピニズムの行方(上田晢農)
コラム1 行き詰まりを予感した時代
ヨーロッパアルプスの冬季登攀(小西政継)
パイオニア・ワーク雑感(江上康)
コラム2 日本人の海外登山
アルピニズム未来論(二宮洋太郎)
ヒマラヤ鉄の時代によせてーRCCII十年の回想(奥山章)
新たな困難を求めて(松本龍雄)
座談会 海外登山・現状と問題点(中島寛、原真、安間荘)
高さと困難が登山の目的なのか(岩崎元郎)
日本の岩登りは限界を迎えたのか(斎藤一男)
国内登攀における今後の課題(古川純一)
登攀における主体性の確率(青木寿)
山ー桃水と失墜(遠藤甲太)
アルピニズムは帰って来た(柏瀬祐之)
登山と「神話」(高田直樹)
誰も書かなかったヨセミテ(吉野正寿、林泰英)
コラム3 ヨセミテの風1 ビッグウォールへのあこがれ
100メートルの壁と1000メートルの壁(坂下直枝)
奥鐘山西壁フリー化の試みーその遊戯と論理(山本譲)
コラム4 歴史を動かした表紙写真
ジョン・バーカーの華麗なボルダリング(戸田直樹)
ヨセミテとコロラドの体験(戸田直樹)
日本人のヒマラヤ登山とその背景(本田靖春)
高所登山のルネッサンス(原真)
コラム5 ヨセミテの風2 教訓を生かす
クン西壁 7000メートルの岩壁登攀(近藤国彦)
コラム6 来日クライマーの横顔
日英交流岩登り 日本の岩場をめぐって(デニス・グレイ)
烏帽子奥壁大氷柱(勝野惇司、菊池敏之)
コラム7 フリークライミング定着の足跡
衝立岩フリー宣言(池田功)
飛翔 瑞牆山十一面岩左岩稜末端壁をめぐるモノローグ1(戸田直樹)
飛翔 瑞牆山十一面岩左岩稜末端壁をめぐるモノローグ2(戸田直樹)
飛翔 瑞牆山十一面岩左岩稜末端壁をめぐるモノローグ3(戸田直樹)
高峰登山 現代登山批判にかえて(和田城志)
ビッグ・ウォールが待っている(山野井泰史)
極限のソロ バフィン島「トール西壁」単独登攀(山野井泰史)
コラム8 山野井泰史という男
インタビュー 鈴木英貴
コラム9 フリークライミングの申し子 平山裕示
インタビュー 平山裕示
EL CAPITAN 垂直のクルーズ(保科雅則)
コラム10 All About 「岩と雪」
アルピニズム33年史(池田常道)
コラム11 アルピニズムの過去・現在・未来
インタビュー 吉田和正
コラム12 追悼 吉田和正
日本ボルダリング紀行 石の人 草野俊逹
コラム13 あの人が生きていたら

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映画「メルー」ジミー・チン監督のサイン入りパンフ届く [山の本、TVなどメディア関係]

ジミー・チン監督のサイン入りパンフレット

 ある日、家に帰ると大きな茶色い封筒が机に置かれていました。差出人は「山と渓谷社」。いそいで開けると映画「メルー」のパンフレット。監督のジミー・チンさんのサイン入りです。

 たぶん酔った勢いで応募したのでしょう(^ ^)すっかり応募したことを忘れていたのですが、なんにせよ当たることはうれしいものです。中身を見るとこれがまた豪華な執筆陣です。

 2006年にメルー中央峰シャークスフィン第2登を果たした馬目弘仁さん、黒田誠さん、花谷泰広さん。それに山野井泰史さん、平山ユージさん、安間佐千さんも特別寄稿しています。映画の配給は「ピクチャーズ・デプト」というところなのですが、登山をわかっている人がパンフレットを作っているなあと感心しました。

 実はまだ映画を見ていなかったので慌てて仕事終わりで見に行きました。



 ガンゴトリ山群のメルーに挑む3人のクライマーの姿。リーダーのコンラッド・アンカーはマロリーの遺体を見つけた人物として有名です。

 クライミングシーンだけでなく、描かれているのは実生活とかかわりながらの登山。家族とのかかわりながらの登山です。様々なトラブルが起きるのですがそれでも登山を続けます。

 たぶん登山されていない方は、なぜそこまでして登るのだろうと思うのでしょうが「生きていることを実感しに山へ行く」そんなことを思わす内容でした。

 コンラッド・アンカーの登頂後の次の言葉が印象的です
 「もう行かなくてすむ」

 まだ細々と上映が続いているようです。登山好きな方は是非どうぞ。それにしても「クスクス」ってなんだ?美味しいのか?まずいのか?

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NHK「山女日記」 内省的な登山が描かれていました [山の本、TVなどメディア関係]

 山のドラマは2時間ものから連続ものまで色々とありますが、今回の「山女日記」は(失礼ながら)想像していたよりよかったです。

 見た方もいらっしゃるでしょうが、第1回と第2回の妙高山・火打山篇では、街の厄介ごとをそのまま山に持ち込んでいる女性が出て来ます。「山の典型的なトラブル登山家」に主人公の女性ガイドが振り回されているという感じで話が進んだので、最初は(ちょっとなあ)と思いました。

 その後、唐松岳には主人公の元同僚との登山、白馬岳には文明の利器嫌いのオールドクライマーや家庭にトラブルを持っている高齢者などが出て来ます。それぞれの人生を背負ってガイド登山に参加してくるのです。それに主人公の人生も投影されて来て、複層的な展開を見せます。

 原作は湊かなえさんです。ミステリー作家のイメージが強かったのですが、湊さんはとても登山好きなのですね。知りませんでした。脚本は吉川次郎さん。窪田ミナさんの音楽も染み入る感じがしてよかったです。
 登山指導は降籏義道さんです。公式HPに降籏さんのブログが公開されていて、撮影の裏話を知ることができます。白馬大雪渓の雪解けは相当だったようですね。

 それにしても、このドラマはオールロケですよね。すごいと思います。ドローンが何度も効果的に使われていました。
 天候の判断はもちろん俳優さんの山でのお世話や撮影機材を持ち上がったりと、ロケは大変だったと思います。さすがNHK、お金かかっています。

 ドラマの登場人物は皆、何らかの悩みを抱えて登山しています。どこか内省的なところは実際の登山者と通じるところがあると思っています。登山はすごく内省的な行為です。そして一生懸命登っていると、「いろんな悩み事なんて些細なことだな」と思えてくるんですよね。

 冒頭の決まり文句が「うんうん、そうそう」という感じ。

山を登る。それはどこの石に足を置くか、ひと足ひと足、果てしなく探すこと。まるで人生のようです。山に登って見ませんか。もしかしたらあなたの探し物もそこに…


 いろんなことを感じさせてくれる「山ドラマ」でした。

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南裏健康さんがD・ポッターを追悼 トランゴのことなど [山の本、TVなどメディア関係]



 最近Rock&Snowをじっくり読むことが少なくなりました。もはや自分には手の届かないクライミングの領域ですから当然ですよね。そんな中、1年前のバックナンバーに懐かしい人の名前を見つけました。南裏健康さんです。

 Rock&Snow070号(2015冬)の特集は「ソロ・クライマーの系譜」で、アレックス・オノルドとディーン・ポッターが特集されています。山と渓谷社としてはその後アレックス・オノルドの本を出版していますから、その事前ブームアップという側面もあったのでしょうが、本を出してくれるだけでも御の字なので大歓迎ですし、渋い特集企画だと思います。

 D・ポッターは2015/5/16にヨセミテ国立公園タフトポイントから高度差900mのウイングスーツによるベースジャンプを行い岸壁に激突して死亡しています。ポッターはベースジャンプの他にフリーソロやハイラインも行っていて、ちょっと尋常ではない精神の持ち主ですが、実は南裏健康さんもすごい経験をしています。

 「岩と雪144号」特集は「トランゴ」です。表紙は紺碧の空をバックにドゥンゲ氷河から仰ぐグレートトランゴ北東ピラーがそびえ立っています。1990年に南裏健康さんが「ネームレス・タワー東壁新ルートのソロ」。木本晢さん、保科雅則さん、小坂昌弘さん、笹倉孝明さんの4人が「グレート・トランゴ北東ピラーのノルウェイ・ルート」に挑みました。南裏さんは頂上に立ったものの、頂上からパラパントで下降したところ墜落。飛び出しから45m下の岩にパラシュートが引っかかり墜落はまぬがれたものの、岩壁内に孤立してしまったのです。

 ここで登攀を終えBCで待機していた木本、保科ペアが南西壁の英国ルートをビヴァーグ3回で登り、岩棚で待つ南裏さんと合流し2日間かけて懸垂下降して急死に一生を得るのです。この救出の模様を記した木本さんの「ネームレス・タワー南西壁英国ルート」の記事は手に汗を握る内容です。

 何度もヘリからの食料投下に失敗し肉体的にも精神的にも南裏さんの安否が気遣われます。笹倉さんが無線で話し相手を務め時間を稼ぎます。こうした中ついに食料投下に成功。そのことを知らずコールが聞こえる地点まで近づいた救助隊の2人に対し南裏さんはこう言います。

 「一夜で成金やあ」

 全くどうかしている(^ ^)のですが、冗談を言えるということは元気な証拠。頂上から懸垂下降して2人は南裏さんと合流。ユーゴスラヴィア・ルートを懸垂下降します。南裏さんは安全な地を前にして初めて涙が溢れ出てきたそうです。そして糞をしながらも涙声で「畜生」を繰り返していたそうです。
 パラパントからの下降を試みる発想力といい、技術に裏付けされた救出の決断と実行力といい、日本のクライミングの一つのエポックとも言える内容でした。

 さてポッターの死に際し南裏さんはこう言います。

彼が、クライミングだけでなくハイライン、BASEジャンプと領域を広げて行ったことは、クライマーとして困難を追求していく過程で、より困難を求めた結果である。決してクライマーとしての方向性がブレた訳ではない。そして、彼にそんなモチベーションがあったのはなぜか。なぜ冒険に駆られるのか、これまで散々分析されてきたことだが、あらためて言うならば、人生は生きるのに値するか、日々自らに問いかけてきたからだ。


 「南裏さん、変わってないなあ」と思った次第です。


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クリーンクライミングの再提唱…「岩場に金具」報道で考えてみた [山の本、TVなどメディア関係]

 岩登りをする側から見れば「岩があったなら登りたい!」その気持ちはわかります…

 いろんなところで「岩場に金具」報道がなされています。あ〜やってしまったーという第1印象。しかしもっといっぱいあるのでは、とも思います。

 日本フリークライミング協会としても、ホームページ上で調査や見解を発表するなど、対応に追われているようです。

 大騒ぎになるのは、それだけクライミングが認知された結果と思いますが、せっかく東京五輪でクライミングが種目に選ばれようというときだけに「冷や水」だったのは間違いありません。

 JFAとしては、安全のためリボルト事業を推進していて、それが仇となった岩場もあるだけに、今回の指摘をどう解決していくかは非常に難しいと思います。

 現在進行形で信仰の対象となっているようであれば、そこにルートを作るのはさすがに無理でしょう。南紀・那智の滝で大騒ぎとなったように、社会から猛反発を食らいますし、地権者はもちろん地元の人をないがしろにして岩場を開拓するのはそもそも不可能だと思います。

 天然記念物だと、今回のようにボルトやハーケンなど(報道で言うところの)「金具」を打つと「文化財保護法違反」の疑いが出てくるのでしょう。登る行為自体はどうなのでしょう?法的に許されるのでしょうか?倫理的にはやはり無理でしょうか?

 私などは岩登り歴が30年以上になるにも関わらず低レベルなクライミングに終始しているためか、天然記念物を登った経験はありませんが、ゲレンデ及び本チャンの支点はほとんど残置ハーケンと残置ボルトを利用して登ってきました。(自慢になりません。逆に危ないです)

 今回の「岩場に金具」の根本的解決ではないと思うのですが、ボルトを少しでも減らすため思う事はナッツやカム・ディバイスを利用した「クリーンクライミング」をクライミング界全体で推奨するのはどうでしょうか?

 価値観の押し付けではなく、クリーンクライミング賞を作るなど、グレードだけではない価値観にスポットを当てれば、今の若者の価値観と合うような気がするのですが。

 時計の針を戻すことはできませんが、ロイヤル・ロビンズのインタビューを「ビヨンド・リスク」で読んでいると、ついそんな気がしました。
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