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「山から学ぶこと」京都府立大山岳部70周年シンポに参加して [大学山岳部のブログから]

 京都府立大学が今年創部70周年を迎えたのを記念して、6月10日にシンポジウムが学内で開かれました。シンポジウムの内容は「山から学ぶこと」です。行ってみると京府大ゆかりの講演者がずらりと並びました。

 まずは山岳会会長の挨拶。昔話のあとは、10年前の鳴沢岳の遭難で随分現役の部活動が変わったとのこと。とにかく安全が第一だと強調されていました。

 基調講演は京大出身で府大山岳部の顧問を務める牛田一成教授です。ヒトの腸内細胞がどのように進化したのかを調べているとのこと。難しい話のはずですが、京大・今西錦司氏から始まるフィールドワークの系譜を組んでいるのが感じられ興味深かったです。また技術の発達によってDNAの保存が容易となって飛躍的に研究が進んだということです。今はニホンライチョウの域外保全について研究しているとのこと。

 次は東ネパールの未踏峰ナンガマリⅡ峰登頂の竹中雅幸さん。重広恒夫さんが隊長。奈良県のある村で仕事をしているそうで、村の旗を苦労して写真に撮ったとのこと。竹中さんは出発までの難しさから、マネジメントの大事さを学んだということです。山岳部でも伝統と継続をどのようにするか、マネジメントは大事なのでは?と。

 楽しみにしていた高田直樹さん。「登山と神話」について「岩と雪」に1974年に六回連載(「岩と雪ベスト・セレクション」に一編収録)。ホイジンガー、ホモルーデンスは「遊び」を学問した。カイヨワは一番楽しい遊びは「眩暈」だと唱えた。めくるめく眩暈として山登りがあるのでは?(面白い話だなあ)
 東大谷G1積雪期初登をした。「岩と雪」四号。屏風岩1ルンゼ冬季初冬。落石の間隔が三分から五分であることがわかり、それで初登できた。八つ峰六峰Bフェース府大ルート。
 京都登攀倶楽部で雇われ隊長となる。それはラトック2峰だった。1979年ラトック1峰は英国のクリス・ボニントンがキャンセルして許可がおりた。岩登り技術応用編の映画、中日映画社で一緒に出演して顔なじみだった重広恒夫さんを口説いて隊員に引き込んだこと。(モニターに示されたラトック1峰のラインはめちゃくちゃ攻撃的でした)
 山をどう登るのか。どう生きるのか。イズムは消えた。自由・平等・博愛は看板だとわかった。遊びは百人百葉でいいのではないか。(話の拡がり具合や、どこまで本当なのかわからない話(すみません)に「なんで山登るねん」同様、引き込まれました(^ ^))
 
 その後もOBさんたちのアコンガグア登頂や、スポーツクライミングの全日本チーム公式トレーナーの話、県職員として南アルプスのシカ食害から高山植物を守る活動など、話は幅広く「山から学んだこと」が話されていきました。

 現場に行かないとわからないことがあること。主体的に取り組んでこそ面白いこと。たった一度の人生をどう生きるのかに関わること。諦めないこと。仲間を大事にすること。謙虚さを学んだこと。山が登れることはメリットであること。筑波大学にできた山岳修士を学ぶのもいいのではないかということ。

 京都府大のみんなは「自由」ですね。OBとなった今も何か山と関わりをもっているのがうらやましいと思いました。とても刺激になりました。

 植物保全をしている方が、山に登れることはすごいことだと言っていました。山というフィールドを舞台に手伝えることがあれば自分もやってみたいと思いました。


『岩と雪』 Best Selection

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  • 作者: 池田 常道
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: 単行本



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