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桑原武夫さん「登山の文化史」器の大きさを感じました [山の本、TVなどメディア関係]

 久しぶりに桑原武夫さんの名前がテレビのニュースに出ていました。が、信じられない話でした。桑原さんの蔵書1万冊を寄贈を受けた京都市が無断で廃棄していたというのです。

京都市が文学者の桑原武夫さんから寄贈された蔵書1万冊を全て無断で廃棄していたことが分かりました。フランス文学の研究などで業績を残し文化勲章も受章した元・京都大学名誉教授の桑原武夫さんは、亡くなった際にその蔵書約1万冊を親族が京都市に寄贈しました。

【記者リポート】「寄贈された蔵書はいくつかの施設を転々とした後、最終的に伏見区にあるこの図書館の倉庫に保管されていました」中には、今は手に入らない洋書なども含まれていましたが、おととし、図書館の改修工事の際に、本は不要だと職員が判断し親族に無断で全て廃棄されたことが分かりました。ことしになって本に関する市民からの問い合わせがあり事態が発覚しました。親族は「そういうことが起こるのか、と信じられない気持ちです」と話しています。(関西テレビ)


 寄贈の図書を保管、管理するのも難しいだろうなとは思いますが、寄贈を受けた以上は職員の判断ではなく、もっと違うレベルで判断して欲しかったなあと思います。「もしかしたら桑原さんが本に線を入れたり、書き込みをしていたら」と考えると、勿体無いなあと思います。

 世間的にも大きな話題となったこのニュースですが、私にとっての桑原さんといえば登山者としての桑原さんです。京都三高(京都大学)の山岳部として、また京都大学山岳会のヒマラヤ・チョゴリザの登山隊の隊長として、そして「登山の文化史」著者として。

 「登山の文化史」は、登山は文化的なものであるとの表題作や、昭和初期の登山の様子が落ち着いた深い文体で描かれています。西堀栄三郎、四手井綱彦さんの名前も。人夫として宇治長次郎の名前も見られます。

 「登山の文化史」は、大学時代のゼミの恩師が「読んで欲しい」と紹介してくれた本です。どうして恩師がこの本を勧めてくれたのか?私がクラブの運営に嫌気がさしていた頃だったのかもしれません…本を読んで、何がどう変わったわけでもないのですが、気分が広くなったことを思い出します。桑原さんの器の大きさは伝わってきたと思います。助けられました。

 もう一度読んでみようと思っています。


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2万5千分の一地図の販売が激減…スマホとGPSのせいですね [山の本、TVなどメディア関係]

 先日、日本経済新聞を読んでいますと、共同通信が配信した次の記事がありました。国土地理院発行の紙地図の販売が、2016年度は47万2951枚だったこと。これは最高だった81年度の約910万枚の約20分の一に当たるそうです。

(販売に当たる日本地図)センターの田代博常務理事は「データのデジタル化が進み、パソコンやスマホで簡単に地図を検索できるようになったことや、学校で本物の地形図を使う先生が少なくなったことも大きい」と分析する。

16年度の実績をみると、紙地図販売の8割を占める2万5千分の1で最も販売枚数が多かったのは北アルプス「穂高岳」の1921枚で、前年度よりほぼ半減。「武蔵御岳」1733枚、「京都東北部」1667枚など人気観光地が続く。例年「穂高岳」に次いで2位だった「槍ケ岳」は29位と順位を落とした。 5万分の1のトップは大阪府「岸和田」の1847枚(全体でも2位)。岸和田市が中学1年の社会科の副教材として生徒全員分を毎年購入しているのが貢献している。 田代さんは「一覧性に優れ、災害時などバッテリーを気にせず使える紙地図の役割は依然として大きい。販売落ち込みで入手困難になっては残念だ」と話している。〔共同〕


 先日、スマホアプリの効用をブログに記したばかりなので、こういう記事を見ると「申し訳ない」と思ってしまいます。実際買わなくなりました…

 今でも大きな山に行くときは2万5千分の一の地図を持って行くのですが、それも国土地理院のサイトで地理院地図をプリントアウトしがちです。日帰りなどスマホのバッテリーがもちそうな時は、買わないだろうなと思います。

 PCやスマホで一昔前より、地図に触れる機会は格段に増えたのは間違いないのですけども…これはやはりGPSで自分の位置がわかるようになり、「地図を読む」必要がなくなってきたからではないでしょうか。

 2万5千分の一でわずかな凹凸を地図上で読み取ることができると、山が面白くなり、自信もついたものです。

 学校で地形図は一枚手渡されて、折りたたみ方も含めて教えられた記憶があります。そんな先生もいなくなってきたのでしょうね。そういえば地理の先生は、山岳部の顧問でした(^ ^)。

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dマガジンで「山と渓谷」 ウルトラライトな登山用具 [クライミングを復活させたい]

 もうだいぶん前からなのですが、dマガジンに契約しタブレットやスマホで見ています。月額400円(税抜)です。書籍の山と渓谷が952円〜なので、それだけでも「元は取れる」と思っています。

 山と渓谷、ビーパルなどのアウトドア系だけでなく、週刊文春などの総合週刊誌やファッション誌など普段は買わないような雑誌まで見ることができるので、気に入っています。

 さて山と渓谷の4月号は特集が「最新「軽・快」登山マニュアル」でした。特集では、心拍数を一定にして登山する実験を通し、重い荷物は体への負担が大きいこと、速く登ることは快適でもあることから軽量化のメリットを説いています。

 軽量化の実践としてトランスジャパンアルプスレース参加者の松浦和弘さんの装備が参考になりました。初夏に金峰山〜甲武信ヶ岳の縦走として考えたとのこと。

【ウェアその他 2479g】帽子51g、時計83g、ネックゲイター・バラクラバ46g、下着(上下)78g、シャツ・アームカバー196g、ハーフパンツ・カーフレングス71g、ウインドシェル110g、レインウェア(上下)341g、グローブ30g、ソックス38g、トレランシューズ(ペア)770g、サングラス30g、防寒具(上下)382g、着替え(シャツ、下着、ソックス、パンツ、スタッフバッグ)253g
【行動用具 1472g】ザック最大30l・防水袋530g、ストック314g、ヘッドランプ・ハンドライト・予備電池142g、地図・行動計画表・マップケース47g、コンパス16g、スマホ・予備バッテリー191g、熊避け鈴14g、シャープペンシル7g、ナイフ21g、ティッシュ28g、水筒(ペットボトル900ml×2)66g、折り畳み傘96g
【幕営用具その他】ツエルト・マット・シュラフなど916g、調理器具・ガス355g、ファーストエイドキット168g、水・ポカリスェット1800g、食料(調理用食料、行動食、予備食、非常食)1916g、その他(財布、カメラなど)528g
【総重量】9634g(!)


 松浦さんはスピード化が図られ通常2泊3日のコースを1泊2日で終えてしまったとのこと。ツェルトの使用で幕営用具が1Kg未満なのは驚きですね。何を重視するか?何を犠牲にするか?どこに行くのか?天気はどうか?安全性をキープしながら軽量化を考えるのは楽しいです。

 スピードは登山で重要なファクターだと思います。良い天気を見計らって一気に縦走するスタイルは理にかなっていると思います。

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ようやく桜が咲きましたね [日常]

桜

桜

 近所の桜が満開となりました。
 子連れの近所の人と話していると「去年の入学式の頃には散っていたのに」とのこと。そうでしょうね。今日はあいにくの雨ですが、日に日に気温も上がるとのこと。

 五月の連休はどこの山に行こうか。残雪の山に思いを馳せています(^ ^)


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那須・雪崩事故 学校教育での登山が問われている [クライミングを復活させたい]

 那須のスキー場上部の斜面で起きた雪崩が、栃木県の高校山岳部の合同訓練のパーティーを襲いました。その結果7人の高校生と引率の教師1人の合わせて8人が死亡しました。あまりにも大きい犠牲に呆然としてしまいます。謹んでお悔やみを申し上げます。

 合同訓練の責任者の高校が警察の家宅捜索を受けるなど、事故原因の究明がなされようとしています。またスポーツ庁が、学校登山の実態を調査する方針を示すとともに、改めて高校の山岳部に冬山登山をしないよう通知を出したということです。

 私は高校、大学と山岳部にいました。高校時代はインターハイに出るようなレベルの高い高校ではありませんでしたが、当時から冬山登山は「登らない」方針であったと記憶しています。ですから春休みは残雪を求めて、京都の北山や鈴鹿へ行っていました。シリセードで滑ったり、わざと倒れ込んだり、雪合戦したりして、夏山以上に楽しかった思い出があります。

 大学では先輩に連れられて、岩登りや沢登り、冬山に行きました。年中登山をしていました。しんどいこともありましたが、登山を重ねることで、人間として成長しているように思うこともありました。

 今回の雪崩事故で亡くなられた生徒さんの遺族がインタビューに答えられていました。非常に胸が詰まりました。泣きそうになりました。こうした残される人たちのことを忘れて登山してはいけないと改めて思いました。

 よく友人から「子供さんは山に登らないのですか?」と聞かれます。自分の子供はバスケットボールでよかった。高校や大学で「山岳部に入る」と言ったら、どうしようかと心配でした。山の厳しさを少なからず私は経験しているからです。

 高校山岳部では顧問の方の経験はどのように検討されるのでしょうか。「20年のベテラン」と言われていますが、年数だけで「経験」を計ることはできないと思います。「顧問だから経験豊富」と本当に言えるのでしょうか。

 大学山岳部は山に登ってたかだか3〜4年目でリーダーになります。自分の実感も含めていうと、この年数で登山のリーダーになるのは難しいというか、ある意味で無謀とも思います。最近では大学のカリキュラムが忙しくなって山行日数も減ってきていると聞きます。山行日数の多さで経験不足をカバーしていく大学山岳部の伝統も崩れようとしているのです。

 日本人は冒険の精神がないと言われた時代もあります。冒険と安全は相反するものと思われがちですが、知識と綿密な計画のもとで行う冒険は、無謀なものではないと思っています。引き返す基準、タイミングを持っていれば良いのではと思います。

 今回の事故でどうしてもわからないのが「雪崩の知識は十分だったのだろうか」ということです。暖かい日が続いた後に雪が30~50センチ降ったら、雪が落ち着くまで行動できないと思わなかったのでしょうか。

 その他にもあります。森林限界上の雪面が危なさそうだと思わなかったのでしょうか。ラッセル訓練は下部の樹林帯だけで行うことはできなかったのでしょうか。合同訓練でリーダーシップは曖昧なものになっていなかったでしょうか。

 猛吹雪の中の訓練は本当に必要なのでしょうか。昔の軍隊意識がなかったのでしょうか。この歳になるとわかります。吹雪の時に出かける必要なんかないんだと。天候の良い時に行くほうが、確実に生存率が高まります。気持ちの良い思い出が残り、また山に行きたくなります。

 学校教育現場で、命をかけて登山する必要はないと思います。登山は一生涯かけてできるスポーツです。みんながみんなヒマラヤを目指す時代でもありません。学校では登山の楽しみ、自然科学への探究心、自らに打ち勝つ精神力と体力を養うで十分ではないか。末長く登山を楽しむ人材を学校現場で基礎づくりし育成することが大事なのではないか。

 ビーコンなどの装備の問題や特定の教師の責任を問うだけではなく、今回の事故は、学校教育現場における登山そのものが問われているのだと思います。


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